嶋影健一の想い

嶋影健一が日々を綴ります

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2019年08月30日

コストの考え方 令和元年8月

今回はコストに付いて考えて見たいと思います。
一般的にはイニシャルコスト(初期投資)とランニングコスト(完成後の維持費)に分けられます。
イニシャルコストの中には「設計監理料」と「工事費」があります。

■「合同会社地球と家族を考える会」は設計から施工に関わる全職種が入っていますが、私達は「設計・監理」を担っています。
設計条件として「人間~地球の健康」を基本に、オリジナル作品を「無から生む」ために、設計には充分時間を掛け、最終的にお施主様と価値観を共有した完成模型を作成します。
工事では完成模型を元に監理を行います。
このように時間と手間が掛りますので、住宅に関しては設計料は工事費の10%を基本にしています。
今後、設計料を安くするには、標準化が必要なので、現在思案中です。


■工事費ですが、大きく分けて、環境に配慮するか、しないかで大きく変わります。
今後は温暖化から「人間~地球の健康」に配慮した建物が、主流になると思います。
そこで、一般住宅と私達の仕様を比較してみると、コストの違いが良く分かります。

・基礎:布基礎(基礎と土間が別々)とベタ基礎(基礎と土間が一体)があります。
私達はベタ基礎ですが、最近はこれが主流と思われます。

・構造材と構法:一般的には外材(安い)が主流ですが、私達は地域材の杉、桧(高い)を使い、一般的には使用されていない、伝統構法を用いて長寿命住宅を実現しています。

・床下:一般的には乾燥のために外部環境にしますが、私達は足元を冷やさないために、コストを掛けて、床下全体を断熱材で覆い、室内環境にします。

・外壁と内装:一般的には安い⇒外壁はサイディング、内部は石膏ボードで大壁にし、その上にビニールクロスなどで仕上げますが、調湿機能は無いので結露が問題になります。
大壁と真壁の比較図

私達の仕様は高級⇒基本的に外壁はスーパーボード(軽量気泡コンクリートに高耐久の塗装仕上げ)を張ることで断熱性と遮音性と防火性を高め、内部は真壁で、壁、天井とも杉板やモイスの自然素材で仕上げ、調湿機能のある健康的な空間ができます。

・断熱材:一般的に壁、天井はグラスウール(安い)ですが、私達は環境に優しいセルローズファイバー(高い、エコライフ(株))を壁、天井に吹き込みます。

・サッシの断熱性能:開口部の熱ロスが一番大きいので、一般的には熱還流率2.33[W/(㎡・K)]以上ですが、私達は1.31[〃]以下なので結露はしません。数値が小さい程良いのです。

・屋根:他には無い「そよ風」(環境創機)を搭載します。
一番のコストアップに繋がりますが、「健康」はお金では買いないので、これをお薦めしています。

・バリアフリー:基本的に車椅子や高齢者に優しい建物にしますので、コストが掛りますが、外部から1階部分をバリアフリーにします。
そこに「そよ風」で床下に温風を送り「熱のバリアフリー」を実現しますと、最終的に「心のバリアフリー」に繋がります。

■コスト的には、平屋が一番高くなるので、単価は一番安い総2階建を想定しています。
現在職人不足や値上げで一般的な住宅約は60~70万、私達は約80~85万、例えばハウスメーカーのS社は90~100万と言われています。
・今後は未来志向の住宅が求められますが、皆様は「健康」をどの様に考えていますか。 嶋影