ほんとうにあたたかい家に住んでほしい
杉の持つ力と伝統の技法を最大限に活かした「ふくしまの家KUMIKO」。
世界最古の木造建築といわれる法隆寺には檜や杉が使われています。
杉は丈夫で長持ちする建材として、古くから使用されてきました。
杉材自体の頑丈さに加え、防腐性やシロアリ等の害虫を忌避する作用も、建物の寿命を延ばしてきました。
湿気をコントロールする機能や断熱性は、高温多湿な日本の家づくりに最適です。
杉は建物だけではなく、その中に納められた物の寿命をも延ばします。正倉院の宝物が、1300年もの時を経ても鮮やかな色彩を保っているのは、辛櫃(からびつ)と呼ばれる杉の箱の優れた保存機能によるものなのです。
ふくしまの家KUMIKOは、そんな素晴らしい力を秘めた杉(福島県産)と自然エネルギーで組み立てられています。
芳香、抗菌作用、リラックス効果。
花粉のせいでアレルギーと結びつけられがちな杉。
しかし、杉の木自体には逆にアレルギーを防いだり、人を癒す効果があります。
杉は洗剤や接着剤に含まれる化学物質(VOC:揮発性有機化合物)を吸収しやすい特性があり、室内の清浄化に役立ちます。
調湿機能があるので、カビやダニの発生も抑制します。
九州大学大学院芸術工学研究院・綿貫茂喜教授が、熊本県の中学校を対象に地元産の杉材製の机と椅子を使用したクラスと、合板とスチール製の机・椅子を使用したクラスを比較調査したところ、杉材を使用したクラスでは、インフルエンザの流行時期にも欠席率が低いという結果が得られました。
杉材が児童の健康によい影響を及ぼしているといえるでしょう。また杉の芳香には人をリラックスさせる効果があり、杉を使用した寝室では寝付きが良くなるという実験データもあります。
サスティナブル社会の源となります
手入れのされていない人工林
日本は国土の7割を森林が占める森林国です。
福島県も県土の7割、約97万haが森林です。そのうち35%は人工林。※1
今、戦後人工林へ植林した杉が大量に伐期を迎えており、その利用方法が問われています。
私たちはこの林業の現状を憂い、地域で産まれたものを地域で生かしたいと考え、地産地生の住まい「ふくしまの家KUMIKO」を造りました。
KUMIKOの主素材である木は持続可能な社会をつくる、枯渇しない唯一の資源です。
木を建築に使うことで、植えて育てて、伐って使い、また植える。
そのサイクルを実現します。
加工性、断熱性能、調湿機能、抗菌効果。
弁当箱やおひつとして今も愛用されている曲げわっぱ。
曲げわっぱほど、杉のメリットを活かした道具もありません。
まずそのなめらかな曲線。杉のしなやかさ・加工の容易さがあってこその美しさです。
そして調湿機能。
杉は多孔性=目に見えない小さな孔を無数に持っており、そこに空気を含んで断熱したり、水分を吸収することができます。それでご飯がベタつかす、温かさやおいしさを保てるのです。
さらに抗菌作用もあるので、腐敗を防ぐこともできます。冷蔵庫やジャーの無かった時代、杉材の曲げわっぱは便利で有能な保管容器でした。
そんな杉の特性は住まいを構成するのにも発揮します。
KUMIKOは杉の加工性、断熱性能、調湿機能、抗菌効果を存分に発揮させることができる家です。
Cryptomeria japonica
ヨーロッパの文化は「広葉樹文化」であり、日本の文化は「針葉樹文化」と言われます。
針葉樹の中でも「杉」は学名のCryptomeria japonica(クリプトメリアジャポニカ)が示す通り、日本だけに生育する樹木。
遥か昔から、さまざまな場面でさまざまにカタチを変え、日本人の暮らしにとけ込み、私たちの暮らしを支えてきました。
縄文時代や弥生時代の遺跡から発掘される多量の杉材がその歴史を物語っています。
杉はなぜこれほど日本人の暮らしに深く入り込んできたのか?
それは、幅広い用途、加工のしやすさ、各種効能など人々にとって多くのメリットがあったからにほかなりません。
割り箸から弁当箱、桶や家具、ひと昔前の電柱、建築物に至るまで。
木でつくった家に住み、木でつくった道具を使って暮らしてきた日本の「木の文化」に、杉は大きな役割を果たしてきたのです。
KUMIKOの快適な居心地を創るものたち
※1 林野庁都道府県別森林率・人工林率(H24.3.31)