嶋影健一の想い

嶋影健一が日々を綴ります

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2019年07月01日

「建物の健康」について 令和元年6月

今回の「建物の健康」については、一般的には「建物の耐久性を高める」ことが考えられますが、最も大切なことは「長く使える」ことです。

「長く使える」ことの最終目標として「終の棲家⇒車椅子の生活」を想定していますが、その他に重要なことは構造体を再利用(リユース)することです。
この考え方は、子どもの福祉や建築に対する理解と教育にも繋がり、この考え方が当たり前の社会になる事を願っています。
モデルハウス「KUMIKO」はその様な考えで作られていますので、是非見て頂きたい。

KUMIKOのアプローチの写真

駐車場からアプローチ~玄関までフラットなKUMIKO

次に「人生100年の住まい」には「建物の耐久性を高める」必要があります。
その為には5つのチェックポイントが考えられます。

① 地盤:基本は※地山が理想です。出来れば土の中にお金を掛けたくありません。
※地山:例えば山を削って平らにした戸建ての分譲地の場合には、その削られた地盤を言います。

② シロアリ:床下の湿気を好みますので、土台と基礎の間で自然換気をしますが、強制換気(換気扇)をしないと建物中央部は難しい。
理想は神社やお寺の高床式です。
「KUMIKO」は、前回お話をしたように「そよ風」で床下を温めますので、乾燥状態になり、シロアリには住みにくい環境になります。

③ 屋根:最近は屋根の出ない建物が多く見られますが、日本の気候・風土に合った神社やお寺の形を見ると、屋根が建物を守っていることが良く分かります。
「KUMIKO」は、そのことを踏まえ、極力屋根を出すことにしています。
KUMIKOの外観写真

深い庇(ひさし)の玄関よりアプロ―~駐車場を望む

軒の出の深いKUMIKO

④ 構造材と構法と耐久性
・一般的な住宅の構造材は外材で、構法的には金物(鉄板・釘、ビス)を多用します。
木と金物は相性が悪く、一般的に耐久性は30~40年と言われています。
・「KUMIKO」は、構造材は地元の杉と桧で、構法は日本の伝統建築の古民家(組み立て可能)に倣って作られており、
耐久性は最低でも100年は持つと考えています。
⑤ リユース:この考え方は「地球の健康」にも繋がります。
・一般的な住宅は、④で述べた他に、柱は壁で覆われて(大壁)呼吸が出来ず、殆どが産業廃棄物になります。
・「KUMIKO」は、古民家を基本にしており、柱は表に現れる(真壁)ので呼吸が出来、全体的に再利用が可能です。

次回は「地域の健康」、「地球の健康」に付いて話したいと思います。 嶋影