待ったなしの「地球温暖化」から「人生100年の住まい」を考えると、長生きすれば否応なしに温暖化による災害が身近に迫るので、災害から逃れることは容易ではありません。
例えば最近の九州や北海道での大惨事(山崩れ等)を引き起こした大型台風や※ゲリラ豪雨は、温暖化やエルニーニョ現象が原因ではないかと言われていますが、今年も5月に入って九州や四国でもゲリラ豪雨による被害が起こっています。
今後はこのような状況が普通に起こると唱える科学者もいます。
※ゲリラ豪雨:数十k㎡の狭い地域に、時間雨量が50mmを超えるような豪雨が短時間で降る現象
これからは市民の「安全・安心」を確保するために、「地球環境」や「建築」の考え方を、大きく変えなくてはならない時代に突入しました。
ここに新たに「健康」と言うキーワードを入れると、全体がより具体的に見えて来ます。
その範囲は「人間~地球環境」(前回の図参照)までが対象になります。
この範囲を満足させることが、「地球と家族を考える会」のモットーです。
先ず「人間の健康」を「住まい」から考えると、5つのチェックポイントがあります。
① 暖房(東北は半年以上必要):頭寒足熱(床が温かい)が基本です。「そよ風」は太陽で外気を温め、その温風(平均40℃前後)を自動的に換気扇で床下に送り、建物全体を温めます。曇りや夜には補助暖房として薪ストーブやエアコンなどが必要になります。
② 湿度:「そよ風」は温風で室内が乾燥するので、特に加湿が必要になります。室内に洗濯物を干すにことで、適度な湿度が得られます。
③ 冷房:夏の夜の放射冷却で外気温が室内の温度以下になると、外気を自動的に床下に採り込み、室内の冷房負荷を減らしますが、エアコン(基本的に一台)は必要です。
④ 換気:外部の新鮮空気を「そよ風」で自動的(強制的)に室内に送るので、建物全体を爽やかにします。
⑤ 内装材:杉の無垢板(床・壁・天井)と天然素材のモイス(壁・天井)を使用しますので、調湿機能の他に杉やモイスの優れた※効能で、シックハウス対策もします。
※杉の効能:リラックス効果や抗菌作用、免疫力を高め(「九州大学の綿貫先生 小国杉の机で免疫能の研究」で検索)、物の劣化を遅らせる(奈良の正倉院の唐櫃(からびつ)~「檜と杉で守られてきた正倉院の宝物」で検索)等の素晴らしい力が備わっています。
※モイスの効能:カビやダニを抑制し、不快に感じる臭いの消臭や、シックハウスの原因であるホルムアルデヒドを吸着・分解する機能を持っています。
「そよ風」は冬晴れると自動的に温風を採るので、特に共稼ぎの方には喜ばれます。
次回は「建物の健康」、「地域の健康」、「地球の健康」に付いて話したいと思います。 嶋影
1級建築士・有限会社建築工房 管理建築士・合同会社地球と家族を考える会 代表社員
主な設計にVILLA SANPEI・郡山市立安積第二小学校体育館・(社福)なのはな保育園