夏本番の近さを思わせる鮮やかな稲田と青空です。
KUMIKO便りに何度も登場しているお隣の梅の木には赤く色づいた実がたわわに実り、
お隣さんがお孫さんと一緒にせっせと収穫作業中です。
昨年はならなかった(裏作)から、今年は生り年(表作)らしいとのこと。
実の重さで枝が地面に着きそうになっています。
この赤い色はとにかく美味しそうです。(残念ながら生で食べてはいけないそう。)
さて、今月のKUMIKO便りは木の家講座6月の回<森林セラピーⓇ>です。
当講座での森林セラピーは今回で7年目になります。
この7年間、番人は森を歩き、森で憩い、森に身を委ねることで五感が刺激を受け心身共に癒される森林浴の恩恵を沢山受け、森が樹木が更に好きになりました。
森林セラピーは日本発祥の『科学的な証拠に裏付けされた森林浴※』です。
森林セラピーソサエティのホームページには「森を楽しみながらこころと身体の健康維持・増進、病気の予防を行うことを目指すもの」とあります。
今期のNHK朝ドラ「おかえりモネ」で登米町森林組合(宮城県登米市)に勤めるモネが登米ふれあいの森での森林セラピーに同行していましたね。
ちょっと話しが横道に逸れますが、「おかえりモネ」では、山や樹木について深くて大事なセリフが沢山登場します。
「最近、水害が多いじゃない?山は自然のダムですよ~ってこと教えられるかな」
画面に大写しになるメモには「森林が洪水を防ぐ可能性」
そして「木で洪水を防ごうとしているんですか?」
このやりとり、木の家講座で伝えたい「木が地球を守る」ことの一つなのです。
一つひとつの言葉が胸に突き刺さり、いつにも増して朝ドラを真剣に見ている番人です。
話しは戻って、
案内して下さるのは「チコちゃんに叱られる!(NHK)」に森林博士として登場した、森林セラピストの香川隆英先生です。
先生は7年間毎年往復5時間かけて来て下さいます。有り難い事です。
香川先生によれば、森の木々が出すフィトンチッド(良い香りのする、森のあのニオイです)を嗅ぐことにより、免疫能が向上するので、ウィルスに対する抵抗力が増すのだそうです。
コロナ禍の今にぴったりです。
とはいえ、もちろん油断せず、ソーシャルディスタンス+マスク+消毒を怠りなく実施しなくてはなりません。
日本が発祥の森林セラピー、まずは触覚、肌に触れる感覚の刺激です。
森を流れる小川の涼しさが、リラックス効果を高めてくれます。
今年は西の方の梅雨入りが早く、雨が多かったので山の小川の水量が多く、水が多い事で温度差ができ、風が涼しくしっとりとした空気の中でのセラピーとなりました。
血圧や脈拍数を安定させてくれます。
木立の中、小川のせせらぎを聴きながら木々たちに守られるように進みます。
森のしっとり感に包まれる、気持ちの良い下り坂です。
森の中の苔の道は物語の世界に迷い込んだよう。
苔の上で休みます。
しっとりと柔らかなコケも、触覚刺激の効果があります。
寝転がった上に木々の葉が重なり合い、葉の間から落ちてくる木漏れ日につつまれる、不思議な癒しを得られる横臥の刺激。
お気に入りのメニューです。
風が爽やかでした。
森の中は落ち葉が足に柔らかく、触角の効果が期待できます。
次は、視覚刺激からの効果です。
ヤマボウシが満開でした。
白い花と周囲の木々の緑は、脳活動を穏やかに保ってくれますね。
さらに、川のせせらぎを聴きつつ木の橋を渡り、急な坂を登り、赤松林に出ます。
松はフィトンチッドを沢山出してくれているので、急坂で息が上がった後はなおのことホッとします。
赤松林の中での横臥です。
ウルシを避け、レジャーシートの上で横になります。
「持ってくる物:レジャーシート」の活用方法に皆様納得です。
木漏れ日の視覚に加えて、キビタキなど野鳥のさえずりや、エゾハルゼミの鳴き声は、聴覚刺激の効果でリラックスします。
今回は2回も横臥を取り入れて頂き、嬉しい番人です。(ちょっと歩くとすぐにヘタる番人)
100年は越しているだろう赤松の木は今年も健在。
大木は人を惹き付け、心を落ち着かせてくれます。
横臥の後は深呼吸です。
フィトンチッドは針葉樹が多く放出するので、特に赤松の多い場所は深呼吸やメディテーション・瞑想にぴったりです。
意識して森の空気を深く深く吸い、そして、ゆっくーり出す、を繰り返します。
私も含め、現代人は呼吸が浅くなっている方が多いので、意識して深呼吸をする機会を持ちましょう。
心と躰がすぅーと落ち着く深呼吸ですが、森で行うとフィトンチッドの香りや野鳥のさえずりが脳の活動を沈静化し、ストレスホルモンの分泌が抑えられ、更にリラックスするようです。
森から出ると一気に視界が開けます。
遠景の刺激です。
毎年行っていても、何度眺めても、ここからの眺めは本当に気持ちが良いです。
智恵子抄の「本当の空」です。
最後にウツギの花が見送ってくれました。
「夏は来ぬ」に謳われている、初夏の花です。
2日間森林浴をするとひと月免疫力が上がったままでいられると伺いました。
2時間と短い時間でしたが、森林浴効果は十分得られるそうです。
しばらく森パワーのお陰で元気でいられますね。
森に、木々たちに感謝です。
KUMIKOの庭では、紫陽花も、夏椿も咲き始めました。
本日外は30度ですが、KUMIKOの中はクーラー無しで27度です。
湿気も杉が吸ってくれるので快適。
玄関から一歩外に出ると夏特有の湿気に驚きます。
それほど杉の吸湿力は大きいです。
10年いても、いまだに感動し続けている杉の木の家の居心地です。
どうぞ、憩いにお出で下さい。
お越しを心よりお待ちしております。
ではまたお会いしましょう。
ご機嫌よろしゅう。
福島の木の家KUMKO番人より 2021.6.28
※参考:特定非営利活動法人 森林セラピーソサエティH・P
ふくしまの木で造る木組みの家KUMIKO
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二級建築士・インテリアコーディネーター・キッチンスペシャリスト・照明コンサルタント・福祉住環境コーディネーター・
ふくしま家づくりマイスター。ハウスメーカー勤務を経て現職。
<森林、樹木と木の家SDGs講座>案内人。