秋深まりゆくKUMIKOです。
窓から差し込む日差しが庭の紅葉を映し、リビングも茜色です。
今回は先月行われた原生の森の回の報告です。
9月は毎年爽やかな初秋の森に癒される人気の回です。
今年も千年の歴史ある神社のパワーと、森の木たちからのフィトンチッドをたっぷりと頂いてきました。
まず迎えてくれるのが樹齢300年以上といわれるカツラの古木です。
ハート形の葉っぱは甘い香りがします。
神様に会いに行く前の手洗いです。
菅川は伊勢神宮の五十鈴川と同じ意味を持つ川です。
この杉たちの間を通ると、心が静かになっていきます。
杉は神様と密接に繋がっている樹木です。
例えば奈良の三輪山はご神体が杉そのものなのだそう。
参道は人の手で整えられますので、この辺りでは自生しないヒノキもあります。
ヒノキ、サワラ、ヒバ(アスナロ)と似ていますので、違いを教えて頂きました。
境内には栃の木が沢山有り、この時期は大きな実が降ってきます。
当たると車の鋼板が凹むほどです。
境内にはイチイの木も多くあります。
イチイは位を意味するもので、高貴な方が胸の前に持つ笏に使われたことからきた名前です。
聖徳太子像から想像できるでしょうか。神主さんも持っていますね。
それで、神社の境内で良く見るとの事。
ツンツンして痛そうですが、触るととても柔らかい葉です。
この3本の大木は、サワシバ、ハリギリ、ミズナラです。
扇を広げたように生えている絶妙なバランスに感心します。
この山奥の境内だから、ここまで太く育つことができたのだろうとのこと。
ミズナラは北海道が主な産地ですが、今は少なくなっていて貴重な木です。
ここは日本海側の気候ですので、境内には古木が風格ある姿を見せてくれています。
このサワシバは沢の側に生える事からサワシバと葉っぱを示しながら。
杉は建築にも使われますが、料理もお風呂を炊くのも暖をとるのにも大事な燃料でした。
しかし、戦争で山は丸裸になります。
そこで戦後、丸裸になった山々に日本中で杉を植えた事から苗木が足りず、日本海側の気候に合った裏杉も、太平洋側の気候に合った表杉も一緒くたになったのだと聞きました。
本来ならばこの地で育つ杉は裏杉なのですが、表も見ることになるのはそんな理由があるのだそうです。
様々な種類の樹木が入り混じる千年の森を見た後に、突然表れる杉だけが林立する人工林。
天然林と人工林の違いが良く分かる場所です。
この辺りが森の講座のテーマになります。
なぜ、日本中に杉林があるのか?なぜ、今建築に杉を使うのか?
歴史と暮らしと地球環境が絡み合う、その理由を10月11月12月と少しずつ紐解き、伝えていきたいと思います。
暑い暑い夏から一気に寒くなりましたね。
一向に収束する気配のないコロナ禍の中、風邪で熱を出したら大変です。
マスクが足りていることが安心感に繋がっているような気がしますが、手洗い、うがい大事ですよね。
どうぞ、なお一層のご自愛を。
ではまた来月お会いしましょう。
ご機嫌よろしゅう。
ふくしまの家KUMIKOの番人より 2020.10.31
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二級建築士・インテリアコーディネーター・キッチンスペシャリスト・照明コンサルタント・福祉住環境コーディネーター・
ふくしま家づくりマイスター。ハウスメーカー勤務を経て現職。
<森林、樹木と木の家SDGs講座>案内人。