KUMIKO近くの田んぼでは実りの秋を感じる光景へと移り変わっています。
この田んぼの中で春から目を楽しませてくれた白鷺達です。
緑の中に真っ白の羽を伸ばして滑空する姿は本当に美しくて、出会う度に幸せな気持ちになりました。
「暑さ寒さも彼岸まで」をしみじみ実感する今年の彼岸です。
一気に涼しくなりました。
この夏、初めて徒然草の「家の作りようは夏を旨とすべし」に納得したKUMIKO番人です。
教科書にも出て来る、あの有名な一節ですが、「なぜ夏?」とずっと思っていました。
夏はなんとかなるではないか、でも冬の寒さは無理 ! と。
兼好法師さんの頃だって冬は寒くて火鉢くらいしかなくて大変だったろうにと。
しかし、今年の夏、考えが変わりました。
車の外気温が40度と表示された日は帰宅すると夜でも部屋の温度が35度ありました。
冬に0度近くなる我が家ですが、畳まで熱くて、夏の35度の方が躰にこたえますね。
屋内にいて熱中症で死亡という報道に、さもありなんと思いました。
『徒然草』(五十五段)にはこう書かれています。
家の作りやうは、夏をむねとすべし。
冬は、いかなる所にも住まる。
暑き比(ころ)わろき住居は、堪へ難き事なり。
2020夏、実感…。
この「家の造りよう」について、お話ししましょう。
前述のように我が家の冬の朝は0度近くなり、ヒートショックでいつか倒れるんじゃないか、としばしば思う程ですが、
そんな日も、出勤するとKUMIKOは10度前後あります。
夏も同様にKUMIKOに出勤すると我が家より涼しい。
ここまでは断熱材の有り無しで良く聞く話ですね。
さらに一歩進めて同じ室温でも居心地が変わる体感温度と表面温度についてもお話ししましょう。
夏であれば、建物が太陽から受けた熱が断熱材等で遮られずに天井や壁や、床も熱くし、その熱がじりじりと躰にきますが、そう感じるのが体感温度です。
室温は28度なのに、天井や壁の表面温度が31度だとしたら、躰は30度と体感し、暑いと感じます。
冬はその逆で、室温が20度なのに、壁や床が冷えていて10度だとします。
そうすると、人の躰は15度と感じ、寒いと思うのです。
方程式があります。体感温度≒(表面温度+室温)÷2
番人も、週の3日は建築工房、週の2日はKUMIKOにいて、室温が建築工房とKUMIKOとで変わらないのに、建築工房では暑くて寒くて、体感温度の違いの大事さを日々実感しています。(我が家との差は有り過ぎて…)
人の躰は不思議です。
天井や壁の温度を感知するのですから。
しっかり断熱すれば、冷房や暖房が逃げず夏涼しく冬温かいのは当たり前です。
しかし素材と断熱の仕方によって外気温に左右されない床・壁・天井を造り、躰が心地良いという感覚にするのが、一歩進んだ「家の造りよう」と考えます。
KUMIKOでは、滞在中2時間毎に室温を図るのですが、同時に床・壁・天井の表面温度も測ります。
この床・壁・天井の表面温度と室温とがさほど変わらないのでKUMIKOに居るとなんだか心地良いと感じるのです。(杉の放出する力も、多いに有りますが)
学生時代から住宅展示場にアルバイトに行っていた建築業界歴ン十年の番人ですが、
どんな豪華で瀟洒な展示場でも、機械力で作られた室温ですので、居心地はどれも一緒でした。
間取りの面白さはあっても、よほどヘンな間取りでなければ暮らしの快適さを左右しない事は感じていました。
展示場で目を奪われるのは、豪華な設備と洒落たインテリアの妙です。
むしろ、クーラーや暖房器具を使わないでも涼しく暖かい事が、躰と光熱費に大きく関わってくる大事な要素だという事をKUMIKOに居るようになって感じました。
家を建てる時には、この体感温度も大事なポイントの一つに挙げる事をお勧めします。
改めてそれを考えさせられた暑い暑い2020年の夏でした。
さて、コロナで須賀川の花火大会も中止になりましたが、9/6に突然花火が上がり、ゆく夏を惜しむことができました。花火打ち上げにご尽力下さった方々に感謝です。
KUMIKOの庭から撮った花火です。
一気に涼しくなって、躰が楽になりました。
マスクもちょっと楽になりますね。
暑さ疲れの躰を労わって下さいね。
では、ご機嫌よろしゅう。
ふくしまの木の家KUMIKO番人より 2020.9.21
ふくしまの木で造る木組みの家KUMIKO
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KUMIKO展示場 の営業は
土・日 の 10時~17時です。
二級建築士・インテリアコーディネーター・キッチンスペシャリスト・照明コンサルタント・福祉住環境コーディネーター・
ふくしま家づくりマイスター。ハウスメーカー勤務を経て現職。
<森林、樹木と木の家SDGs講座>案内人。