KUMIKO便り

KUMIKOの番人が日々を綴ります

KUMIKO便り

KUMIKOの番人が日々を綴ります
2011年04月28日

KUMIKO便り 2011.4.28

ここのところ震災被災者の為の復興住宅づくりに埋没していました。気がつけば、春も深まって、桜が散り際で、明日からはGWが始まってしまうのですね。なんて、時の流れの速いこと!

さて、私達はいつも住まいは暮らしを守るシェルターだという想いでいますが、今回の震災ではその想いを一層強くしました。

私自身、このひと月あまり毎日揺られ続けて思ったのは、この家は倒れないから大丈夫!という確証があることが、どんなに安心し、安眠でき、そして心強いかということです。これにつきました。

ですので、今回の震災で確信できたKUMIKOの耐震性は生かさなくっちゃ!と強く思います。安心して暮らしていける住まいを提供するのが自分達の役目でないかと思います。復興住宅は特に震災の被害を一番被った人達が住む家です。だから、安心感は絶対に必要だと思います。

・・・そんな私の力んだ思いとは関係なく、季節は確実に移り、KUMIKOのまわりでは、梅、桃、桜が一気に咲いて目を楽しませてくれました。隣町の「三春」という町名は三つの花つまり春が一度に見られるということで名付けられたと聞きました。今年は須賀川でも一度に春を味わえました。震災に耐えた人々に少しでも楽しい思いを、との花々の気持ちでしょうか。

それにしても、今年は震災の影響であまり混雑しないで滝桜を見られそうとの予想は見事に裏切られ、やっぱり、桜に近づくこともままならなかったと、はるばる山梨から福島応援ツアーと銘打って来てくれた友人から聞きました。申し訳ないことです。KUMIKOは滝桜から車で30分ほどの所です。滝桜にお出でになりましたら、ぜひ、KUMIKOにも足を運んでみてください。

写真はKUMIKOの建つ須賀川市の総鎮守様の境内の桜です。ここにはかつて伊達政宗に滅ぼされた二階堂氏の居城であった須賀川城の外堀が残っています。
(その戦さに対する鎮魂の祭りが日本三大火祭りの一つと言われる「松明灯し」です)

そして「エゾヒガンザクラの群生の地」です。
樹齢300年という巨木が群生していて、全国にも例を見ないものだそうです。しかも、純粋種が採れるので様々な桜の台木用として活用されて、毎年数万本の苗木が国内はもとより、海外にも輸出されていると看板にありました。

私達は普段桜を見る時にあまり首を上に向けることはありませんが、ここは思い切り首を傾け、顔を真上に向けなければなりません。本当に美しい知る人ぞ知る桜です。今年はもう、散り始めていますが、秋の紅葉も実に見事ですので、今秋を楽しみにお待ちください。

この写真はKUMIKOの隣の古民家です。茅葺の屋根と桜と杉が美しく調和しています。すぐ前の水たまりにはオタマジャクシの卵がありました。古民家から南へ目を転じれば、空港道路が池を挟んで見えるのですが、懐かしい春の原風景です。

KUMIKOと花桃です。GW中は見られるかもしれません。この春の雑木林の風景と共に穏やかなKUMIKOの時間を体感しにお出でください。お待ちしております。

ところで、被災地全てでは、国勢調査のデータを基に仮設住宅の目安を試算すると、15万強必要と出たとの事です。

KUMIKOのある福島県須賀川市では市の被害調査の結果、昨日現在、住宅の全壊が379棟、大規模半壊が130棟、半壊が598棟ありました。そして、蔵が沢山くずれたと書きましたが、蔵を含む非住宅の全壊が422棟、大規模半壊が148棟、半壊が328棟、とのことでした。

現在須賀川市では、市内4箇所に194戸の仮設住宅を建設中です。一日も早く、普通に生活ができるようになってほしいと切に願います。好きなメニューの料理をし、食卓で食事をし、洗濯をし、毎日着替え、お風呂に入り、安眠できる暮らしを。