KUMIKO便り

KUMIKOの番人が日々を綴ります

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KUMIKOの番人が日々を綴ります
2018年02月26日

土地は捨てられるのか

本日2月9日は福の日です。
2と9のごろ合わせで「ふく」なのだそう。
朝一にそんな事を聞くとついうふふと頬が緩んでしまいますね。

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KUMIKOのストーブ用の薪にハートマークを見つけました。
KUMIKO便りをお読みくださっている皆様に贈ります。
愛に満ちた幸福な事がたっくさん起こりますように。

今年はことのほか寒いですが、KUMIKOでは有り難い事に例年ほど雪かきに苦労しておりません。
玄関までのアプローチだけでも22mもある上、駐車場は砂利敷で毎年大変な思いをしておりましたが
今年の雪かきスコップの出番は数えるほどです。
日本海側のことを思えば本当に有り難い事です。

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KUMIKOと雪です

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KUMIKOの庭の氷です。ちょっときれいなので撮ってみました。

 

ところで、今日の話題は「宙に浮いた山」。
そう聞くと驚かれると思いますが、リアルに浮いているのではなく、土地所有権の話です。

子や孫が進学や就職で地元から離れてしまい、先祖から受け繋がれてきた「山」をこのまま持ち続けることに不安を感じている高齢者が少なからずいるという新聞記事に目が止まりました。

子にしてみれば、山の木々を薪として煮炊きや風呂焚きに使う必要がなくなり、山に入る機会も、ましてや手入れも学ぶ機会も無かった世代として、故郷を離れてしまえば「山」への関心も薄くなるのは残念ながらやむを得ない事です。

山はかつてそれで子を大学へ進学させる事が出来たほど資産価値のあるものでしたが、今や「負動産」とも書かれる時代です。
そのような価値もない山を「相続」しなければならない子や孫を思い、土地を国や自治体に寄付したいというお年寄りが多いのも頷ける話なのです。

そこで、お年寄りから山の相続に関する相談を度々受けていた司法書士が、現代の暮らしに合わなくなってきた「土地制度」に一石を投じたいと、親から生前贈与された山林を「捨てる」裁判を起こしたのだそうです。
しかし、高裁まで争った結果は敗訴でした。(土地は捨てられるのか 男性、国を相手に『実験的訴訟』」朝日新聞2017.12.4)

実は、土地の所有権を、放棄したい時に放棄できる制度は日本にはありません。
しかし、土地の所有者が亡くなり、相続人全員が相続を放棄すれば、事実上「土地の所有者がいない」という事態が起こります。
2016年には所有者が分からない「所有者不明土地=宙に浮いた土地」は全国で約410万ヘクタール、九州の全面積を上回ったそうです。

土地の利用には所有者の承諾が必要で、災害復興や再開発の妨げとなる事態も起こっているとのこと。
そこでこの度やっと行政も動き出し、所有者不明土地を活用したい場合、県知事に事業計画を出し、公益性があると判断された場合に限り「地域福利増進事業(仮称)」として上限10年間の一時利用ができることになったそうです。(国交省資料・H30年1月19日)

今後、土地所有に関する基本制度の見直しについても関係省庁と連携して検討していくとのこと。
お年寄り達の心配する山の問題の解決にはまだまだ遠い遠い話ですが、土地問題がホンの少し前進するような気が致します。

 

日本は国土の7割が山です。
山が荒れれば海もダメになります。川上から川下まで土地は続いているのです。
持ち主が不明になれば山は手入れができなくなり荒れます。
それは植物や動物、全ての生命に繋がってきます。

 

KUMIKOを構成する材は福島の山の木です。
近くの山の木を使うという事にはそこに暮らす人の体にも合うという事の外に、
必要とすることで山の放棄にも歯止めをかけたいとの思いがあります。

山の木は手入れをすることで枯渇しない資源となります。
資源を生み出す山、放棄されない山を作りたい。KUMIKOの願いです。

 

もうすぐKUMIKO木の家講座2018「森の木が家になるまで」が始まります。
森はなかなか一人では入れない場所です。
この講座で近くて遠かった森(里山)へ行ってみませんか?

山に入り親しむことも「山の放棄」に繋がります。
近々来年度の案内をアップします。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。

 

さて、インフルエンザも少し下火になったようです。
でもまだまだ気を許しちゃいけませんよ。
手洗いマスク、そして免疫力アップが鍵です。
そしてストレスをためず、良く寝る。

このストレスを貯めないということは難しいことですが、
それには今より過去に起きたことをグジグジと考える事を無くすこと、が大事です。
起きてしまったことにとらわれるのは無意味な事です。
そう思うための魔法の言葉をお客様から教えて頂きました。
「後ろは絶壁!」
つまり、もう後ろは無いと思うのだそうです。

そして、未来に不安を抱くのもストレスになりますから、今(やっている)の事だけに集中する。
そう「今でしょ!」なのです。

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昨年、花器に生けてから7年目にして初めて花が開いた事務所(建築工房)の沈丁花。
今年も咲き出しました。
顔を近づけると馥郁と香ります。
早春の香りです。

桜並木もうっすらとピンクに見えてきました。
春はもうすぐです。

ではまた来月お会いしましょう。
ご機嫌宜しゅう。

ふくしまの木の家KUMIKO番人より