KUMIKO便り

KUMIKOの番人が日々を綴ります

KUMIKO便り

KUMIKOの番人が日々を綴ります
2017年12月29日

惜別

2017年も終わりに近づき、ぽつぽつと届く喪中はがきが嫌でも1年を振り返らせる時期となりました。

 

今年、KUMIKOも、とても大切な職人さんを亡くしました。

最初に訃報を聞いた時は冗談と思ったほど若くまだ67歳。

仕事中に倒れてそのまま帰らぬ人となってしまいました。

 

彼は、KUMIKOのキッチンを作ってくれた、KUMIKOをKUMIKOたらしめた木工職人さんです。

さして詳細な図面もない(番人の手抜き…)KUMIKOキッチンをデザイナーの希望以上に仕上げてくれたのも彼です。

 

 

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KUMIKOの名は障子の組子細工から来ています。

古来からの日本独自の繊細な技術です。

彼はその腕でKUMIKOの障子や建具、家具を全て作ってくれました。

頑固で、真っ直ぐで、メンバーの中で唯一、真剣に喧嘩できた人でもありました。

 

本当の木の家を作りたい、と言った私に、俺もだ、とぼそっと返してくれたその時から親しくなり、参考になると聞くと家具や木工品、オープンハウスを一緒に見て回ってくれました。

 なぜ、この世で必要とされる人ほど、若くして逝ってしまうのか…。

誰かを失ってこんなに悔しいと思うのは初めてです。

いつも、こちらの世界で必要とされる人は神様にも必要とされるのだ、と思うようにしているものの、やはり今は悔しい。

 

今度KUMIKOへお出でになったら、その繊細な技術を見てください。

ぽつぽつと灯る組子障子の灯りも彼に頼んで造って貰いました。

ぬくもり感じる温かい光が彼のあったかい人柄も映し出しています。

心もあったかくしてくれる灯りです。

 

KUMIKOの玄関扉、そして玄関から入ると真っ正面にあるキッチン、締め切ると独特の雰囲気になる障子、素朴で、でもどこも寸法を崩せない杉のテーブル。

土曜日の朝、KUMIKOに1歩足を踏み入れると私を出迎えてくれるこれらがたまらない気持ちにさせます。

最後に会話した時の言葉「やってやるよ。図面書いておいて」少しなまった口調がまだ耳に残っています。

どんな時でも気軽に請け負ってくれる頼もしい味方でした。

 

 

木製品は気温と湿気で生きているかのように動きますので、メンテナンスがとても重要です。

今は息子さんが跡を継いでいます。

いつも、お願いするとすぐに飛んで来て対応してくれたお二人でしたので、これからも二代目が同じように頑張ってくれるでしょう。

 

今年も1年お世話になりました。

2010130日のOPENから丸8年。

様々なことが思い返されます。色々な方に支えられてここまで来ることができました。

心より、心より、感謝申し上げます。

 

 

最後に今月の満月、スーパームーンとKUMIKOです。 

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また、来年お会いしましょう。

どうぞ、良いお年をお迎えください。 

ご機嫌宜しゅう。

 

福島の木の家KUMIKO番人より