嶋影健一の想い

嶋影健一が日々を綴ります

嶋影健一の想い

嶋影健一が日々を綴ります
2019年02月21日

私とKUMIKO 平成31年2月

私は昭和17年(1942年)11月15日(七五三の日)に郡山市で生まれました。

地元の小、中、高を出て、芝浦工業大学の建築学科に進み、卒業後は設計事務所に就職し、最後は静岡県の(株)高木滋生建築設計事務所に6年間(28才~33才)お世話になりました。

事務所近くの母校

この事務所は高木滋生先生(東京芸大で宮脇檀氏と同級)を初め、東京芸大出のスタッフ(3名)が
中心を担っており、その当時芸大の教授であられた吉村順三先生の影響を受け、暖炉を中心に自然環境への配慮を重視していました。

その代表的なのが吉村先生の「軽井沢の別荘」です。

建築工房(地球と家族を考える会の事務局)の壁に大切に貼ってあるチラシ 中央が木々の緑に包まれた軽井沢の別荘です

噂ではお客さんがこれを見た時に、「風呂敷に包んで持って帰りたい」と話されたそうで、素晴らしいの一言です。
私は残念ながら外観しか見ていませんが、設計する時には何時もこの建物を思い出します。

33才で郡山に戻り、(有)建築工房を立ち上げて、住宅、マンション、事務所、幼稚園、保育園、老人ホーム等の仕事をさせて頂きましたが、1997年に京都で「地球温暖化防止」に関する「京都議定書」(COP3)が採択されました。
以前から自然環境へ配慮をしてきたつもりですが、尚一層努力をしなくてはと、吉村順三先生の一番弟子である奥村昭雄氏の「OMソーラー」を積極的に採用してきました。

しかし一番気になったのは、一般の木造住宅の地震対策が金物(剛性耐力)に頼る事です。

その結果建物の寿命は30~40年しか持たず、ゴミがどんどん増えて※、自然環境に負荷を掛け続けるのです。

なぜ日本の伝統文化である,寿命が数百年の世界に誇れる「古民家」を参考にしないのか。

結論は、金物は簡単に耐力計算や施工が出来ますが、古民家は計算や施工が難しく、一般には向かないことです。
それでは、古民家の構法を取り入れた独自の考えを実現しようと、「合同会社地球と家族を考える会」を立上げ、実験を重ね、大臣認定を取得し、その第一号として「ふくしまの家KUMIKO」が完成しました。

次回は構想から実現まで長い時間がかかったKUMIKO誕生までの経緯を書いていきたいと思います。

※家に限らず建築物の終末期は殆どが、燃やせない&リサイクルもできない=産業廃棄物になります。
土にも還らず、未来永劫ブルーシートの下に存在し続けるのです。
そのブルーシートも今の日本では満杯状態です。 嶋影