KUMIKO便り

KUMIKOの番人が日々を綴ります

KUMIKO便り

KUMIKOの番人が日々を綴ります
2014年06月14日

桐の花の咲く季節 『なぜ、いま木の家なのか?』有馬東大名誉教授の講義の報告

白い桐の花が瑞々しい山の緑に包まれ、鮮やかに咲いています。
雨なら濡れた木々の中で、晴れなら青空の下で、どちらの背景の中にあっても大きな白い木は鮮やかに浮かび上がります。
紫陽花も咲き出しました。
お変わりありませんか?

郡山にある事務局の玄関のツタが建築工房と地球と家族を考える会の看板を隠す勢いで伸びています。
時々、この看板のところだけ切ってあげないと事務所だとわからない状態になってしまいます。

梅雨の晴れ間の静かな週末です。
今、日本全国でワールドカップのコートジボアール戦にかたずを飲み、或いは拳を握り、声援を送っているのではないでしょうか?
それで往来も静かなのかなどど思いつつ、やはりラジオで中継を聞いている番人です。

外は11時現在28度。
ラジオからは熱中症に注意を促すアナウンスが流れています。
KUMIKOの中は25度、湿度60%ひんやりとした爽やかな居心地です。

復興住宅(福島県買取型復興公営住宅整備事業)のプロポの準備中です。

仕事は前出の写真のコンクリート造事務局よりも集中できます。
これは、気がするというだけでは無いと思います。・・・多分。

先週8日にKUMIKOで開催しました木の家講座<なぜ、いま木の家なのか?森と木と身体との関係>での有馬東大名誉教授のお話の一つに、木の空間の居心地についてマウスの実験を通した話しがありました。

マウスがどの床材のケージを選ぶか。
ここで「木が選ばれた」という話をするのはいかにも予想通りなのですが、これは様々に複合的な要因が絡みあった結果で、だから、木が良いとは単純に決めつけないようにしなければならないとは言われました。
でも、私もKUMIKOの木に包まれる週末は集中して仕事できますのでこの結果にはやはり『やっぱり!』なのです。

ところで、私がこのケージを構成する材料の違いによる実験の話しでなにより強く印象に残ったのがマウスの臓器の発達の違いです。
想像通りですが、やはりケージにより生殖器の発達に著しい差があったとのこと。

こう書くと語弊があるかもしれませんが、全ての生きとし生けるもの、それは動物や昆虫といった生物だけでなく、樹木、植物も含めて全てが未来に子孫を残すことが「生きる基本」で本能ではないかと思うのです。

木の家講座の1,2回で習う事なのですが、樹木や草花たちが環境に順応して子孫を残していくシステム、雄蕊と雌蕊や新しい芽や枝の出し方等々には、どの木、草、花にも驚かされます。

だから、マウス達の卵巣、子宮、精巣がケージに順応(?)して縮小(正しい表現ではありませんが)していくのは大変なことだと思うのです。
縮小というのは私の勝手な表現で、正しくは体重あたりの湿重量の比較に差が出た訳ですが、木、コンクリート、金属では木製と他のケージの差に驚かされます。

これはあくまでマウスでの話しです。
だから、人もとは簡単には言ってはいけないのですが、私自身の事で言えば、私のKUMIKOでの週末就業も4年半になり、気付いたら体調が変わっていたことと木との関係はあながち全く無関係とは言えないと思うのです。

私は長い事低体温、低血圧でした。幼少時より病院に行かない月が無いほどでしたので体温を測ってもらう頻度は人より多いのではないかと思います。
いつも体温は34~35度台で身体は常に冷たく、血圧は50~90でした。それが現在は36度台、血圧も上が100を越えました。

単純にKUMIKOのお蔭とは言えないかもしれませんが、長い事職場もコンクリート、住まいも鉄骨柱にビニールクロス貼り壁という暮らしをしてきたのが、住まいが木造になり(引越しました)、週末のみとはいえ杉の箱にいることが身体に影響しなかったとは言い切れないでしょう。

人の暮らしはほぼ9割が建物の中です。であれば、それを構成する物質が身体に影響を与えることは少なからず有るのではないかと思うのです。

「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」(2010年5月成立)は木材の利用による地球温暖化防止、循環型社会の形成、森林の有する国土の保全、水源の涵養、地域経済の発展等々等々の為ですが、
子マウスの成長や私の身体の変化のごときから短絡的と言われるのを恐れずに言えば、成長期の子供たちのために学校が木造になっていくと良いなと思うのです。

先生のお話の中で、木造校舎が取り壊される前に調査に行くと、落書きに一番多いのが「木造校舎」という単語だったという話がありました。
多くの方がこの話しに頷かれるのではないでしょうか。
「ありがとう木造校舎」や「さようなら木造校舎」の落書き、これは鉄筋コンクリートの校舎にはない現象だそうです・・ありがとう鉄筋校舎?・・・・

今、東日本大震災で崩壊した公共建築物の建て直しが進んでいます。
この機会に木造化が進んでくれることを切に願います。
多くの人が木で元気になって欲しいと思います。
それで、巡り巡って地域も地球も元気になるのですから。

先生のお話は縦横無尽広く深く広がりましたので、まだまだお伝えしたい内容が沢山あります。おいおい書いていければと思います。

今週は郡山の事務局のカタバミの写真です。
あのツタのからまるドアの向こうにある小さな庭に咲きました。
除染で丸裸になった土から再び復活!です。

さて、あなたの今週も素敵な日々でありますように。
ではまた来週。
ごきげんよろしゅう!

福島の木の家KUMIKO番人より