KUMIKO便り

KUMIKOの番人が日々を綴ります

KUMIKO便り

KUMIKOの番人が日々を綴ります
2014年01月24日

☆新年☆

2014年が明けて初めての便りです。
遅ればせながら、今年もKUMIKOを宜しくお願いします。

先ずは、木の家KUMIKOらしい年の初めのご挨拶を。
青空の下、すっくと立つ木の鳥居です。

社殿の上にコンクリートのマンションが写っていますが、これは写真のトリックではなく、生でもこう見えます。
ここに住んだらご利益ありそうと思いません?

それにしても、木組みの鳥居は威厳があり、美しさがあり、いつも見ているコンクリート鳥居の百倍位ご利益がありそうでした。
年の一番初めに、こんなに素敵な神社に参拝できたことに感謝!

初詣については、近年不思議に思うことがあります。
以前より、初詣の人出が格段に多くなっているとは思いませんか?

我が家の近くにある神社では数年前はさほどの人出はなく、ごく普通に初詣できたのですが、この2~3年は神社へ通じる道が渋滞するので交通整理員が出るほどです。

今年の元旦は鳥居から社殿まで1時間待ちの行列だったと地元紙に報じられていました。
年の初めに手を合わせる。この素晴らしい慣習が年々より多くの人に広まる?のは悦ばしい事ですが、なぜ急に増えたのかと不思議に思うのは番人くらいでしょうか??

ところで、伊勢神宮・出雲大社は共に昨年が遷宮の年でしたので、参拝者はこんな地方の神社の比ではなく、しかも、今年の初詣は例年をはるかに凌いだとのことです。

正月のNHKスペシャルでこの二つの社の遷宮について取り上げていましたが、神話の世界や天皇家のルーツが絡み合い、非常に興味深い内容でした。
テーマはなぜ遷宮をするのか。

・・なぜ遷宮をするか?昔、建築の授業で習ったのは
『建築技術の伝承のため』
このシンプルな理由は、若い学生の腑にストンと落ちました。

建てる技は一朝一夕には習得できません。
建築、特に自然の素材で造る木造建築は大工達の腕・技に掛かっています。
だから、親方から弟子にその技を伝えることができるのが20年周期がちょうど良いのだ、と教えられました。

更に、伊勢神宮は土に直接柱を建てる「掘立柱」が社を支えます。
木は水の中であれば、つまり100%の水分であれば、容易には腐らないのですが、半端な水分では腐る。
土の腐朽菌が水分と一緒になってじわじわと木を腐らせるので、土に直接建てる柱はある程度の周期で建て替えねばならないのだ、とも教わりました。
だから、すべての材を新しくするのだと。

それじゃ困る、と石の上に柱を建てるようになったのが石場建てという、古民家や社寺仏閣で見られるものです。土から木を離すのですね。

では、60年に1度の出雲大社の遷宮は、といいますと、こちらは全てを新しくするのではなく、古くなった部分のみを直します。使えるものは全て使う。という方法なのでそれはそれで伝承可能なようです。
解体する時に、前回の技法がわかるので、それに倣って同じように造っていくらしい、です。

NHKスペシャルでは、こんな建築側からのちっちゃな「事情」だけに留まらず、世界に類を見ないものとして様々な角度から掘り下げ、本邦初公開の情報をぎっしり詰めて送ってくれました。
共に、木と木とを組んで造りあげていく板倉造りのKUMIKOの元祖でもありますので、ぜひ生を見たいものです。
それに、遷宮によって神様のお力が新しく強くなっている時と聞けば、なおのこと行って神頼みしたい気持ちの高まった番人でした。

さて、今週末、KUMIKOは昨年全7回で開催した木の家講座の番外編を開催します。
木と放射能に関して、放射線医学総合研究所の工学博士吉田聡氏に 「環境の放射能:森の話を中心に」と題してお話し頂きます。
(詳細はトップをご覧ください)
昨年1月の木の家講座は大雪になりましたので、今年はお天気に恵まれますように・・・。

インフルエンザが流行し始めたようです。
みな様どうぞ体調管理に気を付けてお過ごしくだい。
では、素敵な1週間を。

福島の木の家KUMIKO番人より