KUMIKO便り

KUMIKOの番人が日々を綴ります

KUMIKO便り

KUMIKOの番人が日々を綴ります
2013年09月07日

☆白露☆

今日は白露です。
朝晩、草花に白露(しらつゆ)が宿り始める季節の始まりです。

秋の始めの色の朝顔です。

もしかしたら一夏咲いていのかもしれませんが、
深いビロードのような、紫にも見える藍色の朝顔を見ると空が高くなるような気がします。
皆様にとって秋のイメージは何色でしょうか?

今朝は色づいたイチョウの葉がちらほらと参道に散っていました。

少々、お便りに間が空いてしまいました。
HPのソフトが壊れ、それが直った頃に私が風邪でダウンしてしまいました。
夏風邪は馬鹿がひくとはよく言ったものと納得し、夏風邪は長引くという事を実感しています。

さて、KUMIKOは土日のみOPENしていますので、土曜日の夜は木と障子に囲まれた不思議な世界で仕事をすることになります。
本日も木と障子に包まれ、表現しがたい感覚の世界でパソコンに向かっています。
聞こえてくるのは虫の声のみ。
秋の夜をしみじみ実感しつつも静かすぎるのでラジオをかけています。

土曜の夜には「絆歌」というNHKの番組があります。
絆に纏わる便りと歌のリクエストで織りなす小半時。

丁寧な言葉使いの三宅民夫アナウンサーの静かな語り口に癒され、
絆がテーマのリスナーからのお便りにウルウルし、リクエスト曲に癒される35分間です。

最後に「また来週お会いしましょう。ご機嫌よろしゅう」という優しい言葉で結ばれる、この真心に溢れた番組を聞いていると本当に心が穏やかになっていくのが分かります。
機会がありましたら、ぜひ聞いてみてください。お勧めです。

今日は岡本真夜のTOMORROWが流れました。
このTOMORROWは、番人が木の家造りに関わりたいという思いに向かって、がんばっていた時に流行った曲です。
この曲を聞くと辛くて泣いてばかりいた、泣きつつも、前に進まなくては、諦めなければ夢は叶うと思い続けた葛藤の日々が甦ります。

「涙の数だけ強くなれるよ」という歌詞にどれだけ元気を貰ったかしれません。
それに続く、「明日は来るよ 君のために」
そして、「自分をそのまま 信じていてね 明日は来るよ どんな時も」
頑張らなきゃ!負けちゃダメだよね!って思いました。

そう書くと今はもうそれが美しい思い出になるほど、落ち着いたのかと言われそうですがいやいやまだまだ格闘中です。

木の家造りに関わるのに何を頑張るのか、と思われるかもしれませんね。
具体的に
木の家造りに関わるためにしたこと
それは、一から設計の勉強をしなおすこと。
それから、勉強会に出ること。
文献と情報を調べること。
自らの身体と時間、そして勿論お金を使うこと10年以上。学ぶこと、新しい知の取得、同じ志しを持つ全国の設計者との交流、は喜びでもありましたが、やはり今振り返ってもしんどいの一言でした。

でも、知れば知るほど、日本の林業家が幾世代にも渡って育て続けてきた木を使って家を造るべきと確信するようになりました。
住む家族の心身の健康、地元産業と自然環境の保全、そして地球温暖化の抑制、循環型社会を作るため。
知ってしまったからには、やらなくちゃ。と思いました。

でもそれは、設計者として約束された安全圏から飛び出すこと(とどのつまり、収入を得る手段を放棄すること)を意味します。
メーカー等にいれば、暮らしは安泰、特に何も考えずに会社が決めた仕様にのっとって仕事を進めれば良いと言ったら言い過ぎでしょうか。
でも、今から考えれば、そうでした。

木の家造りに関わる事の難しさは、工業製品でない命があったものを使う難しさとは別に、会社として知名度の無い難しさもあります。
世間一般に知られていない会社に一世一代の買い物を託す人がどれだけいるか。
つまり、幾ら良いとわかっていても、それを受け入れる人がいなければ仕事は成立しないし、自己満足だけではご飯を食べていくことができないということでもあります。

まぁ、難しいことは置いといて、とりあえず良いと思うものを信じて走り続けるしかありません。
今私達を信じて住いの設計を任せてくれている方々の為に。

空が高くなって気持ちの良い季節が始まりました。
今週が皆様にとって素敵な一週間となりますように。

福島の木の家KUMIKO番人より