今年は例年より早めの入梅のようですね。
西から徐々に梅雨入りしつつありますが須賀川は梅雨入り前の青空が爽やかです。
KUMIKOの前の里山からトッキョキョカキョクとさかんにさえずりが聞こえてきます。
「夏は来ぬ」には忍音(しのびね)もらす♪と歌われるホトトギスですが、もっと威勢が良いような・・。
GWに咲き誇っていたKUMIKOの桃も実が膨らみつつあります。
シャクナゲも今が盛りです。
庭では先週に引き続き、ドングリからの芽吹き(実生(みしょう)と言います)を発見!
4本目と5本目です。
KUMIKOの森計画にまた一歩近づきました?!
さて、ちょっとさかのぼりますがGWに宮城県南三陸に行って来ました。
考えさせられ、驚かされ、感動させられてきました。その報告です。
先ずは2011年にKUMIKO木の家講演会で講師をしてくださった安藤邦廣先生設計の復興住宅「三陸さんたろ」を見に行きました。
さんたろは杉の家という意味だそうです。
電車を乗り換えること5回。最後に乗ったのはBRTといって線路が津波で被災したための代行バスです。
津波被災地を目の当たりにして来ました。
あまりに密植されてガリガリに痩せた枝も張れない杉林。
そこに津波が襲った。
ここから下が津波をかぶったことがハッキリわかるくっきりと線を引いたようにグレーになった森・・・・・
・とはこの状態にかなり衝撃を受けたKUMIKO番人が帰りのバスの中で書いた独白です。何か吐き出さずにはいられなかったことがこの文章となっています
復興住宅の後ろに積んであった津波被害にあって伐り出された杉です。数えるとおおよそ50年の樹齢。これは50年前にやはり津波被害に遭ったのち植林されたものでしょう。
この杉は津波でごくごく少し塩を含んだのですが、使うには全く問題が無いそうです。
なのに、ただ伐られて、そして燃やされるだけ、なのだそう。
50年の時間を思うとやりきれない気持ちです。
津波で全て流された地に建つ復興住宅三陸さんたろ
この復興住宅三陸さんたろは三陸の杉と徳島の杉のコラボです。
手前に写っているのは案内してくれた安藤先生です。(先生ありがとうございました!)
奥は和室となる場所です。 このテーブルと椅子はKUMIKOと同じく2012年グッドデザイン賞に選ばれたものです。 津北の杉を使って復興を!というコンセプトでした。とても柔らかく座りやすい椅子です。
シンプル灯り2!
シンプル灯り3!
建築家の先生方が好んで使う灯りはシンプルイズベスト。
灯りだけでなく、先生方の使われる設備はどれもシンプルです。
機能を十分に満たし、且つ家そのもののデザインを壊さないものが選ばれます。
洗面所もこのとおり。
脱衣洗面所です
シンプルイズベスト!
シンクを隠す前エプロンも無し!
番人も昔我が家の洗面所にこのシンクを付けたことがあります。
仕事柄、長いこと設備機器を見続けてきて、様々な機能を持ったものには目を奪われますが、結局使ってみると、全てをそぎ落としたもので十分と思えてくるのです。
とどのつまり、水を受け止めるシンクがあれば良いのではないか・・と。
お風呂です。浴槽はたしか「槇」だったような・・
二人で入っても十分余裕があります! ただし、これはさんたろには付きません。大きすぎ!
連子窓です。横にスライドして開け閉めします。
このお風呂にはびっくり。
あんまり大きすぎて家族の不評をかった人が提供してくれたものなんだそうです。
お湯なしで入って来ました。大人二人で入っても余裕あり!
ここもシンプルイズベスト!
ステンレスのキッチンは新潟の燕三条で造られたものです。
キッチンもすっきり!KUMIKOと同じオールステンレス。
キッチンはきらびやかな製品が多々あり、家造りを考える時、オンナゴコロをくすぐりますが、要は材料を洗い易く、切り易く、煮炊きがし易い、そして水切りが良ければそれで十分ではないかと、職業上、様々なキッチンを使って来た番人は思います。
扉の美しさに迷わされるのは最初だけです。
汚れが付きにくく、落としやすく、清潔にできればgoodではないかと思うのですが・・ね。
(そうは言ってもキレイなショールームに行けば迷いますよね)
収納もあれこれと機能の付いたタイプに心躍らせますが、使っていくと期待するほど有能ではなく、もったいなかったな~という後悔の念が度々、度々・・・ありました。
などど、達観できるのは、番人が立場上種々の製品を見比べ、実際に我が家に設置してそこで料理をしてきたから言えることではあります。
ただ、身銭を切らなきゃクライアントさんの立場になれないと思っています。ので身体張ってみました!何パターン試したかな~対面式、窓向き、I型、L型、2、4m~2、9mまでひいふうみぃよぉ・・・
杉棚
適宜、棚があると色々片付きますよね。
しっかりとした杉の建具。美しい。
建具です。建具は一番お金がかかるところなので、この使い方は頭を使わねばなりません。
2階への階段です。無垢の杉板そのものがインテリアの効果を醸し出していました。
2階の吹き抜け部分と個室です。
力強い梁桁。
障子が美しい。
電気がなくてもお湯を沸かし、料理ができればどれほど備えになることか。
震災の教訓からの設置です。
BRT代替え輸送システム。バスの停留所です。後ろは津波にやられた杉林。
以上、宮城一日目の報告でした。
二日目以降のお話しはまた後日。
暑くなって参りました。
春がアッと云う間に過ぎて冬から一気に夏へ!という感じです。
身体が暑さに慣れていませんので、どうぞ体調管理に気を付けて
今週も素敵な一週間をお過ごしくださいね。
福島の木の家KUMIKO番人より
二級建築士・インテリアコーディネーター・キッチンスペシャリスト・照明コンサルタント・福祉住環境コーディネーター・
ふくしま家づくりマイスター。ハウスメーカー勤務を経て現職。
<森林、樹木と木の家SDGs講座>案内人。