KUMIKO便り

KUMIKOの番人が日々を綴ります

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2012年12月31日

最後だとわかっていたなら

あと少しで2012年が終わります。
今日は昨日の続きなのに、明日は今日の続きなのに、年が改まるというのはなんと不思議な感情を呼び起こすものでしょうか。
2013年へ日付が切り替わる前に書いておきたいことがあります。

震災よりもうすぐ2年。あれから、すべての時間があの時をゼロとして数えてしまいます。

あの震災の直後に新聞に載った詩が時間が経っても忘れられずにいます。
津波で亡くなられた29歳の女性へのレクイエムです。

あちこちで目にしているかもしれませんが、2013年へと切り替わる前にこの便りにも載せたいと思います。

詩は2001年9.11のアメリカ同時多発テロで殉職したレスキュー隊員ノーマ コーネット マレックさん(29歳)が生前書いたものです。
彼は貿易センタービルに1機目の飛行機が激突したあと、救助のために最初にビル内に突入して亡くなったそうです。
訳は佐川 睦さんです。サンクチュアリ出版(2007.6.26)

 

「最後だとわかっていたなら」

あなたが眠りにつくのを見るのが
最後だとわかっていたら
わたしは もっとちゃんとカバーをかけて
神様にその魂を守ってくださるように祈っただろう

あなたがドアを出て行くのを見るのが
最後だとわかっていたら
わたしは あなたを抱きしめて キスをして
そしてまたもう一度呼び寄せて 抱きしめただろう

あなたが喜びに満ちた声をあげるのを聞くのが
最後だとわかっていたら
わたしは その一部始終をビデオにとって
毎日繰り返し見ただろう

あなたは言わなくても 分かってくれていたかもしれないけれど
最後だとわかっていたなら
一言だけでもいい・・・「あなたを愛してる」と
わたしは 伝えただろう

たしかにいつも明日はやってくる
でももしそれがわたしの勘違いで
今日で全てが終わるのだとしたら、
わたしは 今日
どんなにあなたを愛しているか 伝えたい

そして私達は 忘れないようにしたい
若い人にも 年老いた人にも 明日は誰にも
約束されていないのだということを

愛する人を抱きしめるのは
今日が最後になるかもしれないことを
明日が来るのを待っているなら
今日でもいいはず

もし明日がこないとしたら
あなたは今日を後悔するだろうから
微笑みや 抱擁や キスをするための
ほんのちょっとの時間を どうして惜しんだのかと

忙しさを理由に
その人の最後の願いとなってしまったことを
どうしてしてあげられなかったのかと

だから 今日 あなたの大切な人たちを
しっかりと抱きしめよう
そして その人を愛していること
いつでも いつまでも大切な存在だと言うことをそっと伝えよう

「ごめんね」や「許してね」や「ありがとう」や「気にしないで」を伝える時を持とう
そうすれば もし明日が来ないとしても
あなたは今日を後悔しないだろうから

2013年が、貴方にとって後悔の無い一年となりますよう、心よりお祈りいたします。
良いお年をお迎えください。

福島の木の家KUMIKO番人より