晩秋の夜空をこがす松明あかし、のキャッチフレーズどおり、
昨夜、燃えるように色づいていた葉が半分ほどになった城跡の公園で、松明あかしが行われました。
日中は暖かかったのですが、夜になって風が強くなったため、松明もあっという間に燃え上がりました。
遅ればせながら、先月の木の家講座の報告です。
<山の命の巡りを見ようⅠ>は伐採と植樹されて5年目の若木を見てきました。
伐採・運搬のための作業道です。
仕事は道をつくるところから始まります。
講師は郡山市森林組合の結城さんです。
今年でもう5年も講師役を引き受けて下さっています。
いつも渋く引き締まったお顔と躰は高倉健さんに似ています。
今年も私達が見学しやすい場所での伐採を準備してくださいました。
山は急峻なところが殆どですので平らな場所は滅多にありませんから大変助かります。
林業についての説明から伐採する時の服装や保護具について解説してくださいました。
今回は間伐の見学です。
見せて頂くのは50年生の杉です。
切り倒す時は木の長さの2倍以上の距離を離れるなどの説明を聞いています。
まず、受け口を切ります。
受け口に感心して見入る皆様
伐り倒され、地面に跳ねる杉です。
あっという間に倒れるので、今年もその瞬間をカメラに収める事ができませんでした。
伐倒後はこうして枝葉を切り落としていきます。
一見、素晴らしい速さでなんなく片付けていますが、
キックバックもありますので技術の要する危険な作業です。
次に玉切り作業を行うため安全な場所に移動させています。
先に伐った杉を「箸置き」のように横に並べていきます。
その上に切り倒した杉を載せて
素晴らしい!思わず歓声が上がります。
玉切りする為の採寸です。
根に近い部分はねじれがありましたので、まずその部分を2m切ります。
そして梢に向かって3mずつ切っていきます。
林家さんはいつも熱心に説明してくださいます。
伐られた木を前に日本の森林の状況のお話しです。
日本は国土の7割が森林です。
そのうちの4割がここのような人工林であること、現在その森林資源は49億立方(㎥)も有り、
本格的な利用が可能な事、
しかし供給量は年間2,500万㎥程度と、
毎年1億㎥ずつ増加している森林資源に対してたまり続けているため、
需要の拡大が大変大事であることなどを伺いました。
参加者の方から
「輸入木材の方が安いのですか?」という質問が出ました。
⇒答えは残念ながらイエスです。
なぜなら、日本では落ちた種から芽を出して成長する「自然萌芽」がないからです。
日本の杉やヒノキは伐ったら植え付けをしないと森は戻りません。
一方、例えばドイツのトウヒは「天然下種更新」するのでコストが安い。
日本では高温多湿のため下草刈り(草刈り)が必要なのに対して、その必要が殆どない事。
枝葉も燃料にすることなど、理由を聞きました。
渡された資料には森林のデータの他、
森林が日々の暮らしにどのように関わっているか書かれていました。
例えば、二酸化炭素の吸収や大気の浄化、土砂災害防止、水源の涵養、建材や燃料、食材の生産
そして行楽、スポーツ療養の場など
森林の機能は貨幣評価できるものだけでも年間70兆円になるとありました。
最後に玉切りした木を積み上げていきます。
この技が凄い!
更に、森林は間伐が適切に行われないと根が張れず風や雪に弱く、災害を引き起こし易くなることなど聞きました。
間伐された林の前で全員集合です。
伐った後は植林します。
今年は5年前にやはり講座で伐倒を見せて頂いた後に植えたところを見せて頂きました。
植えて5年目の杉の若木です。
こちらは7年目。
杉の畑ですね。
こちらでも記念写真を。
秋が深まっていきます。
KUMIKOでも庭木の葉が落ちて晩秋に咲く山茶花が咲き始めました。
寒さも増していきますので皆様どうぞご自愛くださいね。
ではまた、ご機嫌よろしゅう。
ふくしまの木で造る木組みの家KUMIKO
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二級建築士・インテリアコーディネーター・キッチンスペシャリスト・照明コンサルタント・福祉住環境コーディネーター・
ふくしま家づくりマイスター。ハウスメーカー勤務を経て現職。
<森林、樹木と木の家SDGs講座>案内人。