KUMIKO便り

KUMIKOの番人が日々を綴ります

KUMIKO便り

KUMIKOの番人が日々を綴ります
2017年08月31日

泉州タオルにぞっこんです

KUMIKOの周りでは 稲穂が黄色味を帯びてきています。
実りの秋ももうすぐです。

空も秋の雲に。

KUMIKOの庭では夏の終わりの花、百日紅が満開です。
枝が重たげです。

 

今回は最近番人がはまっている泉州タオルの話です。
巷では四国今治のタオルが有名ですが、大阪の泉州(せんしゅう)と言えば更に古く、日本のタオル産業発祥の地でもあります。

洗っても洗っても元のフワフワに戻るフェイスタオルに出会ったことがきっかけで、泉州タオルの虜になってしまいました。

奥織物株式会社H・Pより

気持ちの良い使い心地だけでなく、愚直に頑張っている日本の作り手さんのことも多くの人に知って欲しいと思い、友人知人へのお礼やお返しに使わせて頂いています。

現在、古くからの家庭内工業の製品は、外国からの安い輸入品に押され、危機的な状況である事は誰もが知るところです。
泉州も廃れてしまわないかと心配していたところにテレビで「究極のオーガニックタオル」というタイトルを見つけ、思わず真剣に見入ってしまいました。
懸念通り、泉州でも全盛期には700近くあったメーカーが現在は七分の一にまで落ち込んでいるそうです。

ですが、このまま淘汰されてはいけない!と、奮起した作り手がいます。
奥織物株式会社の奥さん親子です。
良いもの、誰にも真似のできないオンリーワンを作れば外国産のタオルに負けないと、二人が9年かけて作り上げたのが「究極のオーガニックタオル」。

このオーガニックタオルの原料は、ウガンダの無農薬、無化学肥料で真面目に育てられた有機栽培綿に、自ら手作りするシアソープ、そして自ら掘った井戸の水。それだけ。

ウガンダも外国産の安い商品との競争で苦境に立たされていました。
それでも、彼らはひたすら真面目に昔ながらの栽培法で綿を作り続けていることを知り、
その姿勢に心を打たれた奥さん親子はほんまもんの綿を使ってほんまもんのタオルを作ろうと決意したのだそうです。

ほんまもんにするための試み、その一。
化学薬品は使わない。
綿は本来水を吸わないのだそうです。(これにはびっくり!でした)
本来、繊維には油分が含まれていて、それを洗い落とさなければ水をはじき、タオルの吸水性を悪くします。
そこでタオル製造には「洗う」という工程が入ります。
通常は高濃度の化学薬品を使って洗うのですが、奥さんのタオルは独自に開発したシアソープと井戸水(オーガニックタオルのために掘った)だけで洗います。

無添加せっけん「シアソープ」は、
通常、薬品を使わなければ難しい工程を、躰にも環境にも優しい手法で製造したいと試行錯誤の末シアバターの木の種から開発したもの。

井戸水での特別な洗い方は、地道に研究を重ねた結果辿り着いたもの。
これらの取り組みは、かつて日本一汚いといわれた工場排水の流れ込む川の汚染を減らすことに繋がるだけなく、畑にもあげられる水になるのだとか(!)

排水は工場の隣にある畑の綿花栽培研究に再利用し、かつて泉州で行われていた綿花栽培を復活させる夢に活用されています。

ほんまもんにするための試み、その二。
洗い終わったタオルは自然乾燥で仕上げる。
奥さんが一つ一つ手で竿?に干している様子が映されました。
この場面を見ただけでも即購入を決めたいほど、そのアナログな姿は神々しいものでした。

ほんまもんにするための試み、その三。
エネルギーは循環させる。
精錬や洗い、乾燥といった製造工程で使用していた化石燃料(重油)を、間伐材(KUMIKOを構成する木です!)とオーガニックコットンのゴミを燃料として利用するよう切り替えました。

間伐材をつかうことは山の管理にも繋がります。
KUMIKOの考えと同じですね。
山を管理することは土砂崩れなどの2次災害を事前に防ぐことに繋がり、一石二鳥なのです。

ほんまもんにするための試み、その四。
あえて低速織機で織る。
糸にストレスを与えないために、低速で丁寧に糸を織り上げているのだそうです。
その為に今はもう生産されていない織機をわざわざ求めたのだそう。

ホームページには「能率、効率、生産スピードの向上を目指した「従来型ものづくり」からの脱却が、現在の新たな発見と発展へと導いた結果となって「真面綿製品」というオンリーワンの製品を生み出すこととなりました。」と書かれています。

こうして九年かかって辿り着いた究極のオーガニックタオル。
その柔らかさは化学薬品で洗い、高速機で織られたタオルとは大きく違います。
製品は正直です。
ちゃんと作り手の心をまっすぐに届けてくれます。

番組では、ウガンダフェアの会場で一生懸命オーガニックタオルを説明する親子の姿が映されました。
来場していた消費者からは柔らかいから赤ちゃんに使いたいとのコメントがあり、思わず誇らしくなった番人でした。
http://majimen.jp/smilekoubou/

 

 
さて、ふくしまの家KUMIKOにとってこの材料を使いたい、使わなければ、という材料は福島の杉です。

知れば知るほど、地元産の木を使う事が住み手の健康にも、地球環境にも良いことが分かり、新建材や外国産材を使うことの弊害が分かってくると、福島の木で、体に害のない材料(建材)で、そしてそれを生かせる構法で作らなければならないと思うのです。

それが住み手にも地域にも環境にも良いのではないか。・・・そんな事を思い始めたのは20年ほど前、まだ石膏ボードにビニールクロスの壁と、フローリングの床での家づくりをしていた頃でした。

そしてKUMIKO展示場の番人となって八年、その不思議なあったかさ、爽やかな涼しさ、居心地の良さが、他の材料や建方では得られない、何ものにも代えがたいものと分かってきました。

健康にも環境にも良いのはわかっていたけれど、この気持ち良さは実は想像以上、想定外(!)の事でした。
「イイだろうとは思っていたけれど、これほど気持ちいいとは思わなかった!」が当初何度も口にしたボスと番人の感想です。

タオルもKUMIKOも手作りの工程が沢山あって、共にアナログな商品です。
それが、使い手、住み手の喜びに繋がるならアナログ万歳です。

今、タオルのフワフワとKUMIKOのあったかさ涼しさは、ボリュームは違えど番人にとってのイッピンとなっています。
タオルは少し高いかもしれませんが、持ちが違います。
これだけ使ったら他のタオルならバリバリ、クタクタになってしまうと思うくらい使い込んでいますが、泉州タオルは驚くほどへたりません。
結局はお得な買い物になっています。
KUMIKOも暖房や冷房の光熱費がほかの家(比較は暑くて寒い我が家ですが)よりかかりませんので、同じです。
(持ちも、親子三代、百年持つ家です)

 

今日は一気に涼しくなりました。
大きな気温の変化についていくのが大変です。
こんな時期はどうぞ無理せず躰を労わって、少しゆっくりめにお過ごしください。

ではまたお会いしましょう。
ご機嫌宜しゅう。

 

ふくしまの家KUMIKO番人より

 

 

ふくしまの木で造る木組みの家KUMIKO
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