KUMIKO便り

KUMIKOの番人が日々を綴ります

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2016年11月27日

山の命の巡り2

枯葉が芳しい香りを漂わせています。
あたたかな小春日和のもとでの枯葉も良いですが、空気が落ち着いた夜半に甘い香りを漂わせる枯葉も良いものです。
ゆく秋を思わせるなんともいえない初冬の香りです。
11月の木の家講座は<山の命の巡りを見よう~製材所で木が材木になる過程を見る~>でした。
10月に山で伐採の現場を見せて頂きましたが、伐採された木のその後を郡山の福島県中央木材市場にお邪魔して見せて頂きました。


まずは、山から運んできた原木をトラックに積んだまま重量を測る機械から始まります。


次は原木の放射線量を計測し、太さ毎に選り分けていく所を見ます。


このように太さによって左右に分けられています。


こちらは競りにかけられた原木です。

この一山が売れたものです。左端の方にプレートが付けられていますが、売れた杉はこんな風にプレートが付けられるのだそうです。

市場に運ばれてきたもののなかなか買い手がつかず少し時間が経った木です。
せつないな~、という空気が流れました。

こちらも製材されずに、パルプやバイオの燃料にするためチップになります。
材木とチップでは、かなり単価が違うというお話しでした。
でも、紙だって、バイオだって私達の暮らしにはとても大事なものです。


原木市場から製材場を望みます。


ここでは木の皮、樹皮を剥きます。
上からも横からも歯が噛み合い、樹皮は効率良く剥かれていきます。


一皮?剥かれた木はこんなふうな表情をしています。
お野菜を ピーラーでむいたイメージですね。


杉は柔らかいのでつるつるにならずに、樹皮のすぐ下が逆立ちます。
杉独特の芯の周りの赤味とその周りの白太のコントラストが美しい。


横から見ます。ここは参加者さん達にかなり受けました。


そして、丸い木の4辺を切り落とし、角材へと製材される機械の所へ運ばれます。


見えますか~?丸太が1本1本機械の中へ吸い込まれていきます。



あの丸がこんな風に角になって出てきます。全員でホウ!と感心して眺めました。


ごく稀に芯が黒くなる木があります。どうして?なぜなぜ?と興味津々の参加者さん達です。
人も色んなお肌の色、体格があるように、木にも個性があります。


ここは製材された後、太陽の元で乾かされているところです。
天然乾燥といいます。


これは剥いた樹皮を燃やしたその水蒸気で木を乾燥する乾燥機です。
髪のように熱風で乾燥するのではなく、たっぷりの水蒸気の中でゆっくり時間をかけて乾かされるので良いのだそうです。


この美しい材木はこれまで見てきた杉ではなく、和歌山の方から届いた節の無い檜です。
1本1本パックされてて特別感が漂いますね。
この美しい木を育てるのはとても手間がかかります。
檜は育つのが杉よりずっと遅いので、以前に書きましたが植えた人がこの姿を見ることはないという、いわゆる三代以上かけて育てた木です。


1周して原木市場に戻ってきました。せりの準備です。


これまで見てきたことの座学です。
原木市場ではどんなふうに木が商品になっていくか興味深いお話しを伺っています。
コストや流通の話しから、木材の強度の話し、木の乾燥の話し。
色々な質問が飛び出しました。
参加者さんの「これ受けてから家を建てれば良かった!」は、この講座を企画する番人には最高に嬉しい賛辞です。
どんなことでも色々見て聞いて知っておくのも悪くないですよね。
新しい知識ってワクワクします。


11/5は紅葉が始まっていました。


講座が終わって市場からKUMIKOへ戻る道すがら、池の周りの赤や黄色が綺麗で思わずパチリ。
講座からもう3週間経って紅葉も終わりです。
季節の歩みは早くて待ってくれませんね。
師走はもう目の前。
寒さも増してきました。
忙しい時期でもありインフルエンザも流行ってきているようです。
遅まきながら番人も来週は予防注射をしてこようと思っています。
皆様もあったかくしてお過ごしくださいね。
では、また来月。
ご機嫌宜しゅう。
福島の木の家KUMIKO番人より
※来月の木の家講座は12月11日(日)です。
山で見た木が伐採されて、製材所で柱や板になって、そして、木の家になったところを見て頂きます。
木や森がどんな風に身体に効くかも伺います。杉のアロマもお楽しみに!