KUMIKO便り

KUMIKOの番人が日々を綴ります

KUMIKO便り

KUMIKOの番人が日々を綴ります
2013年04月21日

☆雪桜☆

ちょっとご無沙汰している間に実に目まぐるしく気候が移り変わりました。
今日は雪です!桜に雪。「雪桜」という言葉を初めて知りました。
美しい語感ですが、実際の光景も実に綺麗でした。

エゾヒガンザクラの群生の地にあるしだれ桜に降る雪です。

昨日20日は二十四節気の「穀雨」。その1週間前の12日は旧暦桃の節供で、KUMIKOの裏の花桃も暦通り満開♪と喜んだばかりです。

こちらが前日のKUMIKOと花桃です

この時期降る雨を「百穀春雨」といい春雨が田畑を潤し穀物の成長を助ける季節だそうです。※
それにしても、今日の雪には穀物もその冷たさにさぞ驚いたことでしょう。

桃のピンクに雪の白がちょっと冷たくてかわいそう。

つくしも雪の寒さにびっくりしてるのでは?

そんな雪景色の中のKUMIKOです。

※koyomigyouji.com日本の行事・暦より

ところで、先日「心と身体にビタミンを!どうぞ召し上がれ」という友人からのメッセージつきで、春の野菜がどっさり届けられました。
袋にはみずみずしい野菜と共に『夜と霧・・ドイツ強制収容所の体験記録』(ビクトール・フランクル著・霜山徳爾訳・みすず書房)も入っていました。

春野菜で身体にビタミン、そして『夜と霧』で心にビタミン。
「夜と霧」はその副題からも推察できるように、著者であるフランクルがナチスドイツのユダヤ人強制収容所に入れられた体験を元に書かれた「死の記録」本です。
友人は本を購入したものの「辛くてどうしても最後まで読めなかった」とのこと。
そう書くと何故心のビタミンなのか?といぶかしく思われる方もいらっしゃるでしょうが、やっぱり、生きることへの希望を与えてくれる本だと思いますので、紹介します。

そもそもこの本が届けられたのは、食事をしながらのおしゃべりがきっかけでした。
私達が地産地生の木の家造りをしているのは、フランクルが発信し続けたメッセージ「あなたを待っている“誰か”がいて、あなたを待っている“何か”がある。その“何か”や“誰か”のためにあなたができることはきっとある」の、誰かや何かの為に私達ができること、それが私たちが地場産木材で家を造ることだと思っているという話からでした。

今回、この本が届けられたのも何かのご縁(示唆?)があってのことと思いますので、フランクルが生涯かけて伝えようとした「心のビタミン」について、フランクル関連著書を数多く著している諸富祥彦氏(明大文学部教授)の解説(NHK100分で名著)や、日野原重明氏(当時聖路加看護大学長)が朝日新聞に寄せたフランクルへの追悼文「生きる価値 語り続けた生涯」の言葉を借りてそれをお伝えしたいと思います。

フランクルが伝えたかった「心のビタミン」とはどんな人生にも意味があるということです。
彼は戦後その過酷なユダヤ人強制収容所の経験を踏まえた著作『夜と霧』を通して、どんな状況でも、人は自らの人生にどんな使命(ミッション)が与えられているのかを考えれば、生きてゆける、と主張しています。

彼は、「あなたがどんなに人生に絶望しようとも、人生はあなたに絶望する事はけしてない」と、著作だけでなく、講演活動でも世界各国を精力的に回って訴え続けました。
本のタイトルになっている『それでも人生にイエスと言う』(山田邦男、松田美佳訳・春秋社)はその思いを象徴する素晴らしい名言です。
もし、今生きる意味や働く意味が分からなくなっている方がいたら、読んでみてください。
あなたが必要なのだと思ってくれる人、或いは事がある。
そんなことへ目を向けたくなる・・かもしれません。
それがわかったら、ちょっと生きやすくなるかもしれません。

ところで、私たちのミッションは建築を通して誰かや何かのためになること、―そう信じて仕事をしていると今までも度々書いてきましたが、
先日、ある方から建築業界とは胡散臭いものであり、信じられないものだと思っている、という話を聞いて、とても切なくなりました。
一緒に仕事をしていく、託す相手を信じられないことはとても気の毒なことです。また、そのような体験をなさったこともとても気の毒なことでした。
ごく一部にそんな業者もいるのかもしれませんが、建築業界の全てがそうではないことも信じて頂けたらと思います。

私達も、儲けだけ考えて仕事をするなら、こんな大変な家造りにこだわらないのです。
青臭いし、あまり大きな声で言ったら、妖しい宗教と間違えられそうですが、私たちは木の家造りはそこに住む家族の心と身体の為のみならず、(住いとしての良さのみに非ず)巡り巡って、地域や地球の為でもあると、住まい手、作り手、地域、地球、全てに良いものであると信じてやっています。

ところで、今月から始まった木の家講座「森の木が家になるまで」。
これをKUMIKO番人と樹木医の先生は、密かに「フォレストミッション」と呼んでいます。
なぜ地域の森の木を使って家づくりをしなければならないか、それを今、伝えなければならないと思っているからです。
これは私に課せられた大切なミッションと捉えています。(その気持ちに熱く答えてくださる樹木医さんも素晴らしい方です)
わかり易い言葉で日本の林業の重要さを伝え続ける。この講座は暫く続けるつもりです。
もし、このHPを読んで興味を持った方がいらっしゃいましたら、途中からでもご参加ください。ご連絡お待ちしております。

では、三寒四温の日々、体調を崩しませんよう、ご自愛くださいね。

福島の木の家KUMIKO番人より